売り出し価格
現在のような不況下だからこそ多い、というわけではない。この手の質問はいつでもよくある。不動産の売買に多くの人が関心を持っていると同時に、その売買のタイミングの難しさを感じているということであろう。不動産の価格が他の商品とは桁違いに大きいということと、個人の生活や企業の活動に密接した問題であるということの証明でもるある。それは不動産のプロと言われた人たちが、個々の不動産物件の動きだけに目を奪われて全体の流れを見ることを怠った結果であり、その代償はあまりにも大きい。では、どうすればいいのか。売買のタイミングをつかむには、ある時点での不動産市場の需給状況を正確に知ることが重要である。さらには、そのトレンドを見ておくことが特に大切である。需給状況について言えば、当然ではあるが、売り物件の多いときには価格は下落傾向を示してくるし、逆に、市場に売り物件が少なくなってくれば品不足となり価格は上昇傾向を示すわけで、その全体の様子を知り判断をしていくことが求められる。これを平たく言い換えれば、売買のタイミングを考えるなら、「買いたい」と言われれば高く売ってあげて、「買って欲しい」と請われれば安く買ってあげる、ということになる。確かに、ほんの五、六年前に売り出された五○○○万円の新築分譲マンション価格が、現在では中古マンションとして三○○○万円で売りに出されている例や、三ケ月前のチラシ広告で見かけたときは、三○○○万円だった郊外の分譲地が、最近では二五○○万円で店頭表示されているなどの例もある。