売却することを考えておこう

最近、建売住宅の販売現場でもよくある例だが、五区画の分譲をしようとしていた業者に対し、「私の自宅に隣接する建売分譲地を、高くてもよいから譲って欲しい」と隣の人が声をかけてくる。このルールは、中古マンションの売買でも同様である。九○平方メートルのマンションが売りに出されたときに、広告チラシを持ってまつ先に飛び込んできたのは、実はその同じマンションの六○平方メートルの部屋に住んでいる人だった、という例がある。今住んでいるマンションは、通勤、買物、そして自分の実家に近いなど、立地条件は申し分がないが、少し狭いという不満があった。そこで同じマンションで広い面積のところが売りに出されたら是非とも「買い換え」をしたいと常々考えていた人だったのだ。こういう人は、購入価格についての関心は二の次であり、ある程度割高でも構わない人である。現在の自分の生活圏を確立している人は、友人、家族とのつながりを重視する。彼らにとっては、従来以上に「近隣」の価値が高まっているわけだ。逆にどんなに優良な物件であっても、遠くの人にはあまり価値を感じさせないものになってしまう。不動産の価値には多面的なものがある。全般的には不動産の資産としての評価が一○年以上下落が続いていても、依然として人気があり、価格の高い物件がある。なぜか1では、不動産の資産としての価値を挙げてみよう。一つは「稀少性」。その街では代わる場所がない、こんなに良い場所であればその不動産の価格も高い、というもの。そして四つめが「換金性」である。不動産は資産とはいっても、売却することによって「現金化」できなければ資産とは評価できない。単なる物体、あるいは空間ということになる。

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